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米食文化の発展に寄与する無洗米加工技術の軌跡

HISTORY

無洗米加工技術の軌跡を表す図

「お米は炊く前に手でとぐもの」そんな常識を覆したサタケの無洗米加工技術

INNOVATION

米が両手に包み込まれている写真

もともと米粒には、精米機では充分に取りきれない部分(糊粉層)があります。この糊粉層を残したまま炊飯すると、「糠臭い」「つやがない」「舌触りが悪い」「美味しくない」「黄ばむ」といった状態になります。糊粉層を充分に除去するためには、精米機とは異なる技術や装置が必要になります。うまみ層を残したままぬか層を完全に取り除いて、美味しさを損なわない加工をしなければなりません。昭和50年代、その目的を達成するために従来の精米機に研究と改良を加え、米粒に水を添加し、研米する装置を開発しました。ここから現在に至るまで、サタケは無洗米が利便性だけではなく、より美味しくより綺麗な、無洗米の良さを最大限に引き出せるよう開発を続けています。

米の構成図

1975

クリーンライト(湿式精米機)

クリーンライト(湿式精米機)

排水処理を必要としない画期的な湿式無洗米化処理装置

精白米に微量の水分を添加して、残留糠分(糊粉層)のみを軟化し、短時間に除糠除水・乾燥することで光沢のある無洗米を製造します。この「クリーンライト」は、少量の加水で無洗米(クリーンライス)を製造できることで、排水処理を必要としない画期的な湿式無洗米化処理装置として広く普及しました。しかし、この時代はまだ無洗米の需要や認識が少なく、無洗米装置としての利用よりも、光沢があり、普通白米よりも保存に優れているなどの付加価値商品として脚光を浴びました。

加水(ミスト)→研米→送風・吸引

1991

ジフライス

ジフライス

より加水量の多い、 業界初の量産型無洗米製造装置

昭和60年代から平成にかけて、「無洗米」に対する見方や需要が変わってきました。外食産業などの業務用の無洗米需要が高まりはじめ、より濁度の低い無洗米が要望されるようになりました。それに呼応して、サタケは業務用向けに「クリーンライト」より加水量の多い湿式無洗化処理装置を開発しました。「ジフライス」と名付けられたこの装置により、糊粉層がほとんど除去された「研ぐ」「洗う」必要のない「無洗米」ができたのです。「研ぐ手間が省ける」「排水が出ない」「水の節約になる」などの利点から、業務用として大きく利用され始めました。

加水(多量)→洗米→脱水→送風

1997

スーパージフライス

スーパージフライス

炊きやすさに優れた無洗米を製造

「ジフライス」の登場により、「無洗米」の需要が増加し始めましたが、排水処理の利便性向上を図る必要性が高まりました。「ジフライス」よりも加水量が少なく、また短時間で洗米除水を行うことで、食味の低下や浸漬割れを少なくできました。 排水処理においては、排水を乾燥して水分を蒸発させ、固形物として処理できる方式を採用しました。このような食味向上、コストの削減と排水処理の利便性向上により、市場での無洗米需要が高まり、「スーパージフライス」が全国の多くの精米工場に設置されるようになりました。

加水(少量)→洗米→脱水→送風

2000

ネオ・テイスティ・ホワイトプロセス(NTWP)

ネオ・テイスティ・ホワイトプロセス(NTWP)

独創的技術で画期的な新精米加工システムを採用

「スーパージフライス」の販売後、さらに加水量が少なく、排水が少ない新たな無洗米装置を開発しました。それまでの水で洗う方式から、米一粒一粒に着目して糊粉層をタピオカに吸着・除去するサタケ独自の画期的な技術でした。数々の仮説検証 (試験)を経て、人体に無害であり、食用として長い間使われるなど、さまざまな条件にも適合しているため、タピオカが吸着の材料として選ばれました。

加水→糖除去→選別・送風

2022

マルチパス・リンスフリー・プロセス(MPRP)

マルチパス・リンスフリー・プロセス(MPRP)

美味しさの向上と環境負荷の低減を実現する新製法

NTWP発売以降、精米工場や中食・外食を取り巻く環境が大きく変化しました。SDGsに代表される「環境に優しい」「脱炭素社会」などが広く社会に認識され、また、よりおいしい無洗米や事業者の利益につながる製品の開発を求める声も高くなってきました。さまざまなトライアルを経て、超微小気泡を有するウルトラマイクロバブル水と洗米・脱水工程を2か所に設けたマルチパス方式を確立。CO₂排出量も約70%削減(当社従来機NTWP(電力・灯油使用)比較)と、環境負荷の低減と美味しさの向上を実現しました。

加水(ウルトラマイクロバブル水)→糖除去→脱水→送風

さらなる未来へ

サタケの無洗米技術は
進化し続けます